「前例に基づいて」? 「仮説に基づいて」??
先日、とあるコンサルと話す機会があった。提案の機会が欲しいと言われ、私も予定が空いていたので軽い気持ちで話を聞くことにしてみた。
そのコンサルは、どうしたら我々の商品が売れるかをいろんな方面から情報を収集して簡単な提案書を作って来て、まぁサンプルのようなものだが私に話し始めた。
きっと、ネットで調べられる情報をもとに、仮想ジェイエスピーを作り仮説を立てその仮説をもとにストーリーを仕立てたのだろう。
競合する商品の販売実績を調べ、商品ページの作りこみ方の違いを比較して、数字やグラフや写真などを使って作られた提案書に基づいて話を進めて行った。
そこには、他社との違いや他社の成功例、数字の根拠、市場規模や市場の成熟度などが記され、まるで私が欲しがっている情報を知っているかのようだった。
恐るべきは、その提案を熟読する前の、1ページ目の全景を見た瞬間に私の身体が前のめりになったことだ。
なぜ私の身体は前のめりになったのか?
それは、脳みそで理解する前の、視覚で心が揺さぶられる「なにか」を感じたからだと思う。
理屈ではなく直感で私の心は揺さぶられ可能性を感じたわけだが、それが提案であり、プロモーションであり演出であり、いわゆる『掴み』であり、人は能動的に反応させることが出来なければスタートラインに立てないことをそのコンサルは知っていたんだろう。と言うより、面識のない私に話を聞いてもらうにはそのことしか考えていなかったのだと思う。
もちろん中身が伴っていなければ何の意味もないが、中身が良ければ良いほど『掴み』が担う責任は大きいとつくづく感じた。
それゆえに、掴むために知恵を使うのだが、掴むことに成功すれば興味を持ってもらえるし、話も聞いてもらえる。
そして、提案の内容が伴えば信頼してもらえる。そして提案が的中すれば信用してもらえる。
そうなれば、商談は成立する。とまぁ、そうなる。
販売に携わる者、企画に携わる者は肝に銘じてもらいたい。『掴み』が大切であることを。
しかし、「言うは易く行うは難し」で、一朝一夕と言うわけにはいかない。
情報収集力、情報分析力、キャリア、勘、センスと併せて、「強欲」でなければならないと私は思う。
「強欲」と言う要素はとても重要で、この要素を持っているかどうかで、私が考える二つに分類される職種のどちらに適しているかがわかる。
ふたつの分類とは、「時間」を売る職種と、もうひとつはプランやアイデアなど「可能性」を売る職種。
それぞれの解説は端折るが、決定的に違うのは、前者は有限で後者は無限だということ。
前者は、効率を上げる。ミスをなくす。改善することで時間の価値を上げる。それでも物足らなければ費やす時間(限りはあるが)を増やせば価値は上がる。しかし限界がある。が、確実性は高い。
後者は、可能性を追求して現実のものにすることで価値は高められる。高められる価値は無限だ。しかし、不確実性が高い。
思考のロジックで言えば、前者は、「前例に基づいて」。
後者は、もし○○だったら?という、「仮設に基づいて」となる。
ということで、「強欲」の要素が弱い者は前者。強い者は後者が適正すると私は分類している。
そういう観点で自分はどちらに分類されているのか? どちらが適正しているかを考えれば、自分の価値を上げる近道が見えるだろう。
私にプレゼンしたコンサルや営業マンは、「仮説に基づいて可能性を立証する」職種。
対極にあるのが、「前例に基づいて改善を続け効率を最大化する」職種で、この2種類に大きく分類されると私は考えている。
さぁ、あなたはどちらに属している? 属したい??
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