クレーマーと人事評価制度に思うこと

世の中にはクレーマーと呼ばれる特殊な人物が何人かいる。出くわしたことがない人もいるだろうが、私が生業とする職業は販売業なので、出くわすチャンスは結構多い。
とは言え、『クレームは宝の山』とも言われ、クレームによって学ぶことは非常に多く、クレームにより人も会社も育てられるという点では、ネガティブに受け止めるのではなく、クレーム事例を蓄えることで、お客様満足度向上に大きく貢献するので「歓迎」のスタンスで向き合わなければならない。
ようするに、『クレームは宝の山』であり、成長には欠かせない。だから積極的・真摯に・誠実に向き合う価値がある。
一方クレーマーはクレーム(事例)とは異なり、学ぶべきはなく成長に貢献しない。それどころか、時間も労力もかける価値のない「無駄」以外の何物でもない。
先日、我が社でもそのクレーマーについて活発な議論が行われた。
最前線でクレーマーに対峙する当事者にすれば、心身ともに疲弊して一刻でも早く解決して解放されたい。一方で都度理不尽な要求に屈服するわけにもいかない。じゃあ、どうすればいいんだ? そんな感じで議論は続いた。
自尊心・正義感を持ち合わせた誠実な者ほどクレーマーとはいえ真摯に向き合うために、1ミリでも自分に非があれば無責任にその場を放棄することはせず謝罪を繰り返し、クレーマーの要求にこたえようとしてしまい、状況はどんどん悪い方向に向いてしまうもの。
持久戦に持ち込まれてしまえばそれこそクレーマーの思うつぼで、いつしか精神は疲弊して崩壊寸前まで追いやられてしまう。
私はそういう場面をいくつも見てきた。
ピンチになった時、それを救うのは何か?
それは、仲間(同僚)であり、上司であり、会社なのだ。
仲間が苦しんでいるときに助け舟が出せる同僚が居るか? 的確な判断指示をしてくれる上司が居るか? そういう力を合わせて知恵を出し合えるチームであるかどうか? そして、会社はそのチームを下支え出来る会社であるかどうか? が危機を迎えた局面では重要であって、クレーマー対象方法とか、対処マニュアルなどは役に立たない。それどころか、マニュアルにマニュアルし過ぎれば火に油を注いでしまいかねないのだ。
だから、機能していないチームにマニュアルは役に立たないと思っていた方がいい。
チームが一つになった時に生まれるパワーは計り知れないし、チームワークこそが仕事だと言ってもいい。
ジェイエスピーでは現在、人事評価制度の再構築に取り組んでいるが、その目的は公平な評価をすること。そうすることでモチベーションを上げ、結果的に生産性を上げること。
・・・・であるが、すべての社員が納得する夢のような制度が構築されることなど決してない。
私は仕組みを否定しないし、どちらかと言えば仕組みを作ることに献身的に取り組んできた。
しかし、人は仕組みで動くほど単純でも簡単でもない。最後は、「人の輪」を作ることが出来るかどうか?であっていまだにその壁を越えられないでいる。いつまでたっても人に翻弄されながら失敗を繰り返してしまっているのだ。
クレーマーと対峙するときも、仕事をするときも、仕組みやマニュアルが機能する「チーム」作りが経営者には求められるのだと、身に染みて思う今日この頃だ。
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