仕組み化・改善・効率化
我々は、と言うより人間は、仕組みを作ること、改善すること、効率化することが前進であり、進化であり、成長だと考えている。と思う。
では、それらは一体どういうことなのか? それによって何を求めているのか? どうなるのか?
近年、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進がもてはやされているが(流行っているのか?)、DXと言うのはまさにそういうことで、ITによって人々の暮らしがあらゆる方向で良くなっていくと考えられ、また推進されている。
しかし、得られるものがあれば失うものがあるのが世の常で、推進を手放しに喜んでばかりはいられない。と言うより推進してもらっては困る者の方が実は多い。ようするに、すべてが(すべての者が)バラ色の世界なんてものはこの世に存在するわけがないという前提でDXを受け入れなければならないのだ。
もし、世の中がDX推進によって便利になり、自分にも恩恵を受けられるという者が居たら、今のうちに出来る限りの抵抗をしておいた方がいい。さもなければ北朝鮮人のような悲惨な人生を送ることになる。
DXによる恩恵は、何のためにそれを推進するのかを知り、それに取り組んだ者にのみが恩恵を受けられ、それに取り組まなかった者は、DXにより間違えなく虐げられる人生を送る。
DXとは、または仕組み作り・改善・効率化とは、今まであった仕事を「無くす」ことであり、必要とされていた自分が必要なくなるということなのだ。まぁ、極論だが。
便利になるということは、不便が無くなるということだが、不便がゆえに必要とされていた事や者は非常に多く、それゆえに存在が許され来た来た者もまた非常に多いということだ。
AI(人工知能)って、最近の言葉に聞こえるが、電子計算機もスーパーのレジも同類だ。その昔に一生懸命習得したそろばんを使った計算などは今や何の価値もない。
計算もグラフ化もマイクロソフトのソフトウエアがやってくれるし、原稿の誤字脱字のチェックもやってくれる。文字を書かなくなったから習字だって必要ない。だから、不便が無くなるという意味をもう少し深刻に考えないと、不便の恩恵を受けていた者はとんでもないことになる。自分には関係ないと思っている者ほど危機感を持った方がいいと私は思う。
ただし、そのロジックを応用できる側の者はDX化によって恩恵を受けることが出来る。いや独占出来る。
この数十年で電子計算機は信じられない進化を遂げ、今や人間が入力しなくても答えを出す「人工知能 AI」の時代だ。もうしばらくすれば、脳みそだけでなく、人工知能を備えた身体までもが造られ、まぎれもない「アバター」の時代が来る。
そうなった時、自分は(人間は)何のために生きるのか? 考えただけでも背筋が凍り付く。人間の進化は幸福に向かっていくものだと信じていたが、実は人類の破滅に向かっているとなれば、それこそ映画の世界が現実なってしまう。
少々話を膨らませ過ぎたが、進化のスピードは加速度的に進んでいるので、そういう客観的な視点を持った方がいい。
DX推進によって衰退している職業はすでに出てきているし、近い将来無くなる職業も多いと言われている。少し考えただけでも、「あれは無くてもいい、無い方がいい」ってものはいくつも出てくるほど必要ないものは多いのだから、便利になることで不幸になる者は想像以上に多いかもしれない。DX化のスピードによっては笑えない時代がやってくるのも遠くないかもしれない。
我々の会社もDX推進に血眼になっているが、その目的は明確で「今やっている仕事を無くすこと」だということをしっかり覚えておいて欲しい。
行く道は二つ。
ひとつは、DX推進によって人員削減を実現する。パフォーマンス(収益)維持して、社員一人当たりの報酬を格段に上げる。
もうひとつは、人員を削減せず(またはもっと増やして)に、DX推進によって創り出したマンパワーを有効利用してパフォーマンス(収益)を上げて、社員一人当たりの報酬を格段に上げる。
二つにひとつであることを忘れずに社員は取り組みに邁進してもらいたい。そして、経営陣はその覚悟を持って会社を経営して欲しい。
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