【専務の景色】改善コンペの意義 ~定例総会を終えて~
2019年10月11日(金)、蒲郡商工会議所で第31期JSP定例総会が開催された。
今年もたくさんの感動と刺激を受ける有意義な機会となった。
その中でちょっとした事件(?)によって会場が少しざわついた。
総務部の質疑応答の中で、制作部の木俣が「改善コンペの意義」について質問した場面だ。
私が総務から離れ、定例総会を外から眺めるのは今年で2回目になる。
当事者ではなく、部外者として客観的な視点を持つことで、いままで見えなかったものがいくつか見えるようになった。
また当事者でなくなったことで届くようになった声も増えた。
そんな私が考える『改善コンペの意義』について、見解を示そうと思う。
少し長い前置きを我慢してもらいたい。
仕事には、止めるとすぐに困る仕事と困らない仕事がある。
例えば、販売管理課の受注やネオスポーツの船検申請の仕事は、止めたらすぐに会社の機能が麻痺してしまうので、その仕事の意義に疑問を持つものはいないだろう。
しかし、ブログの投稿のように止めてもすぐに困らない仕事ならどうだろうか?
それが簡単な仕事、好きな仕事、得意な仕事なら疑問は湧かないかも知れない。
しかし、それが難しかったり、負担が大きかったり、苦手な仕事であれば、『なんでこんなことをしないとダメなのか。』とその意図や意義、必要性に疑問を持つだろう。
無理にやらせようとすれば、不満やストレスになる。
つまり、止めてもすぐに困らない仕事を推進するためには、まず初めにその仕事の意図や意義、必要性を十分に理解してもらうことが肝心である。
それらを理解してもらうだけでうまく行くとは言い難いが、何はともあれ理解なくして何も始まらない。
JSPの中にも、止めてもすぐに困らない仕事はたくさんある。
改善活動。
もしかしたら、『改善活動を止めたらすぐに困ることになる』と言う人もいるかも知れない。
それほど改善活動の意図や意義、必要性はJSPに浸透している。
しかし、取り組みを開始した当初は、毎月の提案ノルマに対し、抵抗や不満を持つ人が多かった。
それでも改善活動を継続し、そこから得られる成果を実感するにつけ、もう疑うものはいなくなった。
止めても困らない仕事で、ストレスの大きな取り組みにもかかわらず、JSPの改善意欲は素晴らしく高い。
委員会活動も、止めてもすぐに困らない仕事だ。
社員交流委員会。
社員交流委員会が企画するイベントは、参加することも楽しいが、楽しさを仲間と共有すること、楽しそうな仲間の姿を見ることも嬉しい。
さらに人間関係が円滑になったり深まったりすることを実感する。
私のみならずそう感じている社員も少なくないと思う。
これは委員会メンバーが趣向を凝らした企画とスムーズな運営をしているからに他ならない。
委員会のメンバーには大きな負担となっているはずだが、それでも前向きに取り組んでもらえているのは、その活動意義を理解しているからではないだろうか。
社員啓発委員会も同様である。
SQUETの取り組みを始めたころから潮目が変わったように思う。
委員会メンバーのみならず、社員の多くが研修ビデオの成果を実感し始めている。
その結果として活動意義や必要性を理解するようになり、最近の取り組みには活気を感じる。
社員の負担は決して小さくないはずだ。
それでもみんな前向きに取り組んでいるように感じる。
結果を示すことで理解に結び付いた良い事例だった。
やはり結果にこだわることは大事だ。
社会貢献委員会。
敷地外清掃で地域の人に励まされたり、お礼を言われたり、この活動が地域に受け入れられていることを実感する。
社員が、取り組みに前向きなJSPに少しばかり誇りを持つようになる。
『企業の社会貢献』の意義や必要性を実感し、社員個々の貢献意識は高くなっている。
広報委員会。
多くの求職者が企業を選ぶときにホームページを参考にする。
そしてJSP社員の多くが実際にホームページを見て入社している。
ホームページで社内報をアップすることも、社員交流、社会貢献、社員啓発の活動を社外に発信することの意義について、もはや語る必要はない。
Rプロジェクト。
これこそ止めてもすぐに困らない仕事の代表格のような存在だ。
おまけに担当者にかかる負担はとりわけ大きい。
しかし、Rプロジェクトの集客力の大きさを目の当たりにしていること、営業活動を通して、情報コンテンツが集客の大きな武器なることが分かったこと、担当することで得た知識や経験が実務に活かされることを一部の社員が実感しており、その活動意義は徐々に理解され始めている。
第4営業部ボーターズ。
卑屈になるわけではないが、ボーターズの活動も実際に止めてもすぐに困る部門ではない。
ゴールが見えないどころか、この道が正しいのかどうかさえ分からない。
それでも継続できるのは、この取り組みの意義に強い信念を持っているからだ。
繰り返しになるが、意図や意義、必要性が理解できたからと言って必ずしも実行・継続できるものではない。
難易度が高かったり、負担が大きかったり、苦手な仕事を進めるのは簡単なことではない。
しかし、止めてもすぐに困らない仕事を強力に進めるためには、その意図や意義、必要性の理解が不可欠であることは間違いないはずだ。
ここでようやく本題に入る。
私が考える「改善コンペ」の意義とは、
『 改善を見つけるために他部門のことを真剣に見ること、
そして実際に役に立つ貴重なアイデアを生むこと、
さらにそこから多くの刺激を受けること。』
私は今回の改革・改善提案のすべてを読ませてもらったが、すべてが素晴らしかったことに驚くとともに感動した。
社員がそれぞれの立場、目線、知識、得意分野、独自の発想で、実に素晴らしい提案をしていた。
もしこの改善コンペの取り組みがなければ、かくも貴重なアイデアを他部門から得ることはなかっただろう。
私は当初、他部門の改善というテーマについては懐疑的だった。
改善や改革は、その部門の問題点を正確に把握していなければ現実的なアイデアは出ないと考えたからだ。
しかし実際の提案内容は、実に新鮮で、ユニークで、自由で、現実性に富んだものだった。
今となっては、その意義に疑問の余地はまったくないと断言できる。
この改善コンペは、止めてもすぐに困る仕事ではなく、負担やストレスはかなり大きなものであった。
困難な仕事を前にした時こそ原点に立ち返り、その仕事の意図や意義、必要性を深く考えてみて欲しい。
「あなたはその仕事の意図や意義、必要性をちゃんと理解し、納得していますか?」
「あなたはその仕事の意図や意義、必要性をきちんと仲間に説明できますか?」
おわり
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